ふねあんじんをすぐ舟過安仁
一葉漁船両小童
収篙停棹坐船中
怪生無雨都張傘
不是遮頭是使風
収篙停棹坐船中
怪生無雨都張傘
不是遮頭是使風
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
一葉の漁船 両小童
篙を収め棹を停めて船中に坐す
怪しむ 雨無きに都て傘を張るを
是れ頭を遮るにあらず 是れ風を使ふなり
現代語訳
小さな漁船に二人の男の子。竿をしまい、櫂を止めて舟の中に座っている。雨も降っていないのに傘を広げているのはなぜだろう。頭を覆うためではない、風を受けて帆にしているのだ。
原文と書き下し文の対照
一葉漁船両小童 ― 一葉の漁船 両小童
収篙停棹坐船中 ― 篙を収め棹を停めて船中に坐す
怪生無雨都張傘 ― 怪しむ 雨無きに都て傘を張るを
不是遮頭是使風 ― 是れ頭を遮るにあらず 是れ風を使ふなり
鑑賞
小さな漁船に二人の男の子。日常の一コマが、そのまま詩になっています。
日本で親しまれる理由
「不是遮頭是使風」。傘を帆にする、ちいさな発明家たち。
語句
- 一葉
- 「一葉」——詩の情景を支える語
- 漁船
- 「漁船」——詩の情景を支える語
- 両小
- 「両小」——詩の情景を支える語
作者
楊万里の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
楊万里(南宋)の作。情景と心情が短く結ばれた一首。