しゅうし秋詞
山明水浄夜来霜
数樹深紅出浅黄
試上高楼清入骨
豈如春色嗾人狂
数樹深紅出浅黄
試上高楼清入骨
豈如春色嗾人狂
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
山明らかに水浄くして夜来の霜
数樹の深紅 浅黄より出づ
試みに高楼に上れば清 骨に入る
豈に春色の人を嗾して狂せしむるに如かんや
現代語訳
山はくっきり、水は澄み、ゆうべは霜が降りた。数本の木の深紅が淡い黄の中に浮かぶ。高楼に登ってみれば、すがすがしさが骨まで沁みる。人を浮かれさせる春の景色など比べものにならない。
原文と書き下し文の対照
山明水浄夜来霜 ― 山明らかに水浄くして夜来の霜
数樹深紅出浅黄 ― 数樹の深紅 浅黄より出づ
試上高楼清入骨 ― 試みに高楼に上れば清 骨に入る
豈如春色嗾人狂 ― 豈に春色の人を嗾して狂せしむるに如かんや
鑑賞
昔から秋は寂しいと言われるが、私は秋日が春朝より勝ると言う。晴れた空に一羽の鶴が雲を排して上がり、詩情を碧霄へ導く——劉禹錫らしい、秋の前向きさです。
日本で親しまれる理由
「晴空一鶴排雲上、便引詩情到碧霄」
語句
- 秋詞
- 秋を詠む詞/詩
- 春朝
- 春の朝
- 碧霄
- 青く澄んだ大空
作者
劉禹錫の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
劉禹錫「秋詞」。悲秋を逆転させる代表作(其一)。