きっか菊花
秋叢繞舎似陶家
遍繞籬辺日漸斜
不是花中偏愛菊
此花開尽更無花
遍繞籬辺日漸斜
不是花中偏愛菊
此花開尽更無花
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
秋叢 舎を繞りて陶家に似たり
遍く籬辺を繞れば日漸く斜めなり
是れ花中 偏に菊を愛するにあらず
此の花開き尽くせば更に花無し
現代語訳
秋の菊の茂みが家をめぐり、陶淵明の家のよう。垣根をぐるりと見て歩くうちに日も傾いた。花の中で菊だけをひいきしているのではない。この花が咲き終えれば、もう咲く花がないからだ。
原文と書き下し文の対照
秋叢繞舎似陶家 ― 秋叢 舎を繞りて陶家に似たり
遍繞籬辺日漸斜 ― 遍く籬辺を繞れば日漸く斜めなり
不是花中偏愛菊 ― 是れ花中 偏に菊を愛するにあらず
此花開尽更無花 ― 此の花開き尽くせば更に花無し
鑑賞
秋の菊の茂みが家をめぐり、陶淵明の家のよう。読み終えても、一年の最後を飾る、大切な花のようにという感触が残ります。
日本で親しまれる理由
「此花開尽更無花」。一年の最後を飾る、大切な花のように。
語句
- 秋叢
- 「秋叢」——詩の情景を支える語
- 繞舎
- 「繞舎」——詩の情景を支える語
- 似陶
- 「似陶」——詩の情景を支える語
作者
元稹の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
元稹(中唐)の作。情景と心情が短く結ばれた一首。