じゅうごやつきをのぞむ十五夜望月
中庭地白樹棲鴉
冷露無声湿桂花
今夜月明人尽望
不知秋思在誰家
冷露無声湿桂花
今夜月明人尽望
不知秋思在誰家
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
中庭 地白くして樹に鴉棲む
冷露 声無く桂花を湿す
今夜 月明らかにして人尽く望む
知らず 秋思 誰が家にか在る
現代語訳
中庭の地面は月光で白く、木には鴉がねぐらにつく。冷たい露が音もなく木犀の花を濡らす。今夜は月が明るく、誰もが空を見上げている。この秋の思いはどの家に宿っているのだろう。
原文と書き下し文の対照
中庭地白樹棲鴉 ― 中庭 地白くして樹に鴉棲む
冷露無声湿桂花 ― 冷露 声無く桂花を湿す
今夜月明人尽望 ― 今夜 月明らかにして人尽く望む
不知秋思在誰家 ― 知らず 秋思 誰が家にか在る
鑑賞
中秋の月は地上に降り注ぐようで、鴉さえもまだねむらない。今夜、月を見上げない人はいない——だが秋の思いは、誰の家に落ちるのだろう。共有される月と、個人の愁いが重なります。
日本で親しまれる理由
「今夜月明人尽望、不知秋思落誰家」
語句
- 十五夜
- 旧暦十五夜。中秋の名月
- 秋思
- 秋の想い。望郷や恋慕など
作者
王建の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
王建の中秋望月詩。誰もが見る月に、誰かの思いが宿る。