そうげつ霜月
初聞征雁已無蝉
百尺楼高水接天
青女素娥倶耐冷
月中霜裏闘嬋娟
百尺楼高水接天
青女素娥倶耐冷
月中霜裏闘嬋娟
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
初めて征雁を聞けば已に蝉無し
百尺の楼高くして水 天に接す
青女素娥 倶に冷に耐へ
月中霜裏 嬋娟を闘はす
現代語訳
渡り雁の声を初めて聞くころ、もう蝉はいない。百尺の高楼から見れば水は空に連なる。霜の女神と月の女神は寒さにも負けず、月の中と霜の中で美しさを競いあう。
原文と書き下し文の対照
初聞征雁已無蝉 ― 初めて征雁を聞けば已に蝉無し
百尺楼高水接天 ― 百尺の楼高くして水 天に接す
青女素娥倶耐冷 ― 青女素娥 倶に冷に耐へ
月中霜裏闘嬋娟 ― 月中霜裏 嬋娟を闘はす
鑑賞
渡り雁の声を初めて聞くころ、もう蝉はいない。景色の奥に、静かな心情が沈んでいます。
日本で親しまれる理由
「月中霜裏闘嬋娟」。寒さの中でこそ、美しさは冴えわたる。
語句
- 青女
- 「青女」——詩の情景を支える語
- 素娥
- 「素娥」——詩の情景を支える語
- 嬋娟
- 「嬋娟」——詩の情景を支える語
作者
李商隠の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
李商隠(晩唐)の作。情景と心情が短く結ばれた一首。